中学受験当日。
子どもが試験会場に入ってしまったあとの「親の待ち時間」って、けっこう長い。
することがない。
落ち着かない。
時計ばかり見てしまう、あの時間。
6年生の後半から、外部会場での模試や日特などの付き添いで、「待機する時間」はどんどん増えていきました。各学校には保護者待機室が用意されて、スケジュールを確認する人、参考書を広げて子どもの学習状況をチェックする人、ノートPCで仕事をする人、スマホを見ている人…。みんなそれぞれの過ごし方。
私は毎回、本を持っていきました。そして密かに計画を立てました。
長いシリーズものを、半年かけて読破する計画。
選んだのは『ダレン・シャン』。
娘が小5のときにハマって読んでいた、全12巻の大作ファンタジー。「ママも読んでみて」と言われていたけれど、日々バタバタでなかなか時間が取れない。
——待機時間にちょうどいいかも。
そう思ったのがきっかけでした。
夏に読み始め、秋、冬。読み進めるにつれて最終巻が近づき、同時に本番も近づいてくる。そこで、ひそかに調整開始。
第一志望の当日に、最終巻を読み終える!
謎の目標を立てました(笑)
当日の待機場所は、ステンドグラスの美しい礼拝堂でもある講堂。
部屋に入って、私が最初にやったことは
祈ること……ではなくて、席取り。
・出入り口に近い
・お手洗いに行きやすい
・でも人の往来は少なめ
・落ち着ける場所
そんな「ちょうどいい席」を真剣に探す。そして「ここ最高じゃない?」という席を見つけて、そっと腰を下ろして、ひとりホクホク。
ページを開く。最終章に向かう緊張感と高揚感。静かな講堂で、私は物語のクライマックスに没頭していました。
そして最後のページ。本を閉じたとき。
……すごい達成感。
何を達成してるんだか(笑)
ダレン・シャンの結末はけっこう重たいのに、私は達成感と共に、多幸感さえ感じていました。
「あぁ、ここまで来たなぁ」
ステンドグラスの光、パイプオルガン、ダレン・シャン。
なんだか全部混ざって、アーメン、みたいな気持ち。
あの時間は神様に守られていたのかもしれません。
ちなみに息子のときも同じことをしました。ダレン・シャン、2周目。
途中で塾のママ友に話しかけられて廊下でおしゃべりしていましたが、「今日どうしても最後まで読みたい本があって」と途中で切り上げて、また席に戻る。
優先順位、ダレン・シャン。そして、やっぱり、達成感と幸せが残りました。
……と、なんだか素敵なエピソードぶっていますが。実際はそんな優雅な時間はつかの間、味のしないひものみたいなラーメンを食べたり、息子のときは電波の悪い中で前日の試験の合格発表を確認して、スマホクリック地獄に陥ったり。
いつも不安と隣り合わせですよね。
なので今回お伝えしたのは「おすすめの過ごし方」ではなくて、たまたま私のお守りが小説だった、というだけの話です。参考書でも、スマホでも、ぼーっとするのでも、なんでもいい。それぞれにとってのお守りのような、よい時間の過ごし方が見つかりますように。アーメン。